#02

天真爛漫、素直で真面目に、コツコツと地道に サンチャゴベルナベウのピッチを目指して

レアルマドリード(フベニールC) 中井卓大
ー マドリードで成長が加速する秘訣

マドリードでの生活は6年目を迎えました。スペイン語でのコミュニケーションに困ることはなくなり、生活のリズム、食事に関しても「帰国したときの方が苦労する」と語る中井卓大選手。「ピピ」という愛称は、幼いころ泣き虫だったことに由来。しかしながら年を経るごとに、肉体的にも精神的にもたくまくなり、トップチーム昇格という大きな夢が、一歩一歩着実に、現実のものとしてイメージできるようになりました。

モドリッチや乾貴士選手にあこがれる16歳の青年。レアルマドリードという世界最高峰のクラブで、恵まれた環境やスタッフのサポートを得て成長が日々加速しています。「でもお姉ちゃんの存在が一番デカい」と、この日の取材にも帯同していた姉に目を向けて感謝の気持ちを伝えるなど、謙虚で礼儀正しい一面を垣間見せてくれました。毎晩22時半から23時には就寝して、7時半から8時に起床。朝は体幹トレーニングを日課として、練習後にはジムで筋力トレーニングにも励み、ケガの予防に努めます。食事も徹底管理。水分は水から摂取するのみ。油身は決して口にしません。ピッチ上では鮮やかなテクニックで相手を翻弄し、観客を魅了する一方、ピッチ外では繊細に、コツコツと地道な努力を重ねています。

ー 純粋で素直な性格だからこそ得られる家族と友人のサポート

レアルマドリードとの出会いは9歳のころ。レアルマドリードが主催するファンデーションキャンプに参加。圧巻の大活躍でMVPを受賞、関係者の目に留まりました。マドリードでテストを受けてほしいと誘われて渡欧。まだ3年生の息子のメンタルを気遣った母親は「楽しんでおいで!」とテストのことを告げずに送り出しました。日本人はただ一人。一週間の滞在期間中に、ひとつ年代が上のチームとの練習試合でゴールを決め、翌日には「レアルに来てほしい」とスカウトされました。絵にかいたようなシンデレラストーリー。翌年4月に、家族とともにマドリード移住を決めました。1年目は言葉の壁に悩んだことも。しかしながら友だちやチームメイトの温かいサポートのおかげで乗り切ることができたのは、天真爛漫、素直で真面目なピピの性格があったからこそ。現在はゲームキャプテンを務めるなど、チームメイトの信頼は日に日に増すばかりです。

レアルマドリードに移籍。バイエルンミュンヘンとの親善試合に出場した久保建英選手を見て「一番うまかった。僕もあそこにいけるように」と力強く宣言してくれたピピ。一方で「ライバルはいない、自分!」と語り、来るべき新シーズンに向けて、休養のため帰国した今も毎日トレーニングを欠かしません。「まぁがんばります」と落ち着いて、しかし自信をにじませながら、さらなる活躍を約束してくれました。

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